重箱式巣箱の設置場所の選定と設置方法について
日本蜜蜂用重箱式巣箱の設置場所の選定や設置方法・注意すべき事について説明します。
設置場所の選定条件

- 周囲に花が咲く樹木が多い、集蜜環境が良い場所
- 南側に開けた明るい木陰
- 夏、直射日光(特に西日)が当たらない場所
- 冬は日当たりが良く北風の当たらない場所
- 一般道路の近くに面した場所でない事
- 雑草で巣門口が塞がるような事が無い場所又は巣箱周囲の環境整備が容易にできること
- ジメジメした場所でない事
- 分蜂の際、蜂球形成に適した樹木、または蜂球形成誘導板が設置できる木が近くにある事
以上は絶対条件ではありません。条件が悪い場合は蜂群飼育の過程で要用の対策が必要となることがあります。
巣箱の設置方法

設置場所を決定します
- 福岡県久留米市 耳納山麓の北側、集蜜環境は上々です。(写真①、②)
- 北風をさえぎるもの、直射日光をさえぎるものの無い耕作を放棄した畑地(写真③)
- 雑草も限りなく生い茂ります。(写真④)
巣箱を設置する場所としては最悪。西日対策、北風対策が必要となりそうです。

木製架台を設置します。
- 巣箱設置場所の雑草を刈り取ったのち、架台埋め込み用の穴を掘ります。(写真①)
- 穴の端に巣箱転倒防止用の鉄パイプ(長さ150Cm、径20㎜程度又は太めの鉄筋等)を打ち込みます。(写真②)
- 架台の半分(開口部より下)を埋め込みます。巣箱内部点検時のアプローチを考慮して開口部の向きを決めます。開口部が巣門側に来るのは避けて下さい。(写真③)
- 左右に傾きが無いように据え付けます。
- 前後は巣門側が若干低くなるように据え付けます。(巣門口飛翔板に降り注いだ雨水が巣箱内部に流れ込まない様にする為)(写真④)
- 巣箱の周囲をしっかり踏み固めます。
- 架台内部も開口部まで土を埋め込み固めます。

防草シ-トの貼り付け
- 雑草が多い場所、管理が行き届かない遠方地の場合は、巣門側1m、後方50Cmの範囲を防草シ-トで覆います。
- 防草シートの替わりに、60~70Cm角のベニヤ板を置く方法も有効です。

巣門台の設置
- 木製架台の上に巣門台を固定します。
- 固定は前後3ヶ所、固定具を用いて行います。(固定具は木製架台に付属しています。)
- 巣門台の上に、待ち箱としての巣箱セットを据え付けるか、分蜂群を捕獲した巣箱を据え付けます。

木製架台が無い場合の巣箱設置
- 2枚のコンクリートブロックを平行に並べます。(写真①)
- ブロックとブロックの間を厚手のダンボールか木材で塞ぐ様に壁を作ります。恒久的には木材がベターです。(写真②)
- その上に巣門台を置き、巣箱セットを置きます。(写真③)
- コンクリートブロックは3~4Cm地中に埋めて下さい。巣箱セットが安定します。また鉄パイプは両側に2本がベターです。
- 巣門口と反対側のダンボールは点検口となります。取り外しが容易な構造とします。
- 舗装面の上に設置する場合は、内部に泥または砂を3~4Cm敷き詰めます。

巣箱の設置
- 巣門台の上に巣箱セットを据え付けます。
- 巣門台と巣箱最下部継箱は固定具で固定します(左右4ヶ所)。固定具は巣門台に付属します。

環境対策
- 日よけ、雨よけとして、約45Cm×60Cm大の合板やタキロンを巣箱の上に置きます。
- 台風等で、強風が予想されるときは巣箱を鉄パイプに括り付けます。

- 設置環境や季節に応じて、西日対策や越冬対策を講じます。
- 対策の具体的方法は別のページで紹介します。(予定)